どっち?

例えば環境問題なら、「温暖化は人間のせいだ」と主張する専門家と、「そんなのは真っ赤な嘘だ」と主張する専門家がいる。
例えば原発問題なら、「原発は安全なんだ、クリーンなエネルギーなんだ」と主張する専門家と、「いや、原発は危険だ、なくすべきだ」と主張する専門家がいる。
どちらの場合においても、その分野の専門家たちから、真っ向から対立するふたつの意見が提出されているわけだ。
一体どちらが正しいのか?わからない。その分野の知識に精通している専門家の中ですら意見が別れているのに、一般ぴーぽーである僕たちに判断できるわけがない。
価値中立的な知、正当な知、或いは真理が得られると思われているその場所、つまり「科学」において、知が分裂してしまう。そもそも、考えてみれば、科学的な知はいつも暫定的な知なのだった。
技術依存があまりにも高度に進行した、そして依然進行中である僕たちの社会では、こういった事態=アポリアの経験は今後ますます増えていくことは必至だろう。
それでも、有効な判断をすることが不可能でも、なんらかの態度を選択しなければならない場面というのは必ずある。しかし、そのとき、もはやその選択に責任を負うことはできないのではないか?その選択は、果たして選択なのか?
どうなっていくのか。どうするべきなのか。
考え中。