Milk


実在のゲイの活動家ハーヴェイ・ミルクの奮闘を描いた伝記映画。ハーヴェイ・ミルクを演じたショーン・ペンアカデミー賞主演男優賞を獲っていますが、しかしそれほど「素晴らしい演技!」というようには感じませんでした。僕がよくわからないだけで実は「ゲイっぽい仕草を見事に表現!」していたりとかしてそういうところは見る人が見れば「素晴らしい演技!」ってなるのかもしれません。あるいは本当に素晴らしい演技というのは、「素晴らしい」とかそういった感想すら浮かんでこないようなものなのかもしれません。
感想としては、あまり面白くはなかったけれどしかし良い映画でした。
ところで日本では政治運動がああいったように盛り上がるというのはちょっと想像しにくいですね。日本では政治の中に「物語」が場を持つことが難しい。反対にアメリカでは政治の成否は「物語」がうまく機能するかどうかにかかっているように思います。そしてそれぞれの政治の「物語」は結局「偉大なる自由の国アメリカ」という「国家の物語」に回収されていきます。日本の政治の場で「物語」が機能しないのは、そういった「国家の物語」がないからなのかもしれませんね。