森鴎外「舞姫」

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)
舞姫は中学だか高校だかの時に現国の教科書で読んでなんだこりゃと思い現国教師にこの小説は嫌いですということを言ったら、そうかわかんないかぁと残念そうに言われてそのことがなんだかずっと心に引っかかっていて、いつか「わかる」ようになりたいなんて思っていて今日何年かぶりかにに読んだのだけれどだめだこの小説は。だめです。好き嫌いとかではなく、だめだと思う。
恋愛を捨てて実利、功名心を選んだとかそういうプロットのレベルの話でだめだと思うのではなく、ひたすら自己憐憫に浸った語りがもうすごくだめ。ひたすら「俺って可哀想」という話しかしていない。「頭が良いばかりに苦しくて俺ってかわいそう」「こんなにかわいい娘に出会ってしまったばかりに苦しい事態になって俺って可哀想」「エリスを捨てなきゃいけないのに子供ができてしまって苦しい決断をしなきゃいけない俺って(ry」「エリスが狂ってしまって罪悪感に苛まれる俺(ry」etc.
だめすぎる。