〈ユリイカ〉2月号

特集が「日本語は滅びるのか」ということで水村美苗の『日本語が滅びるとき』に関してのアレコレで興味深かったので、実に久しぶりにユリイカを購入。前田塁による水村インタビューとか、蓮実重彦の水村批判とか、いろいろ読みでがあってナイス。今日日「日本文学」なんてものに興味のある物好きな御仁は買うといいかも。
前田塁、というか市川さんはつくづく聞き手役がうまいなあと感心。本人も自分で書いたり喋ったりするよりも聞き役に回る方が得意な気がすると仰っていたけれど、それも頷ける。ハスミンもハスミン節全開でグー。
しかしユリイカにしろ文芸誌にしろ、こういう批評の読み手というのはどこにいるのかがいまいちよくわからない。某私立名門文学部に行っても文芸誌なんてほとんどの学生が読んでいないという事実をこの前発見しました。もはやドがつくほどマイナな世界になってしまっているみたいなのですね、ということはしかしさんざん言われていることですけれど、それを実感。かくいう僕もそんなに熱心な読者ではないけれど。
それでもまあユリイカは現代詩・純文学からラノベやアニメ、BLから初音ミクまでなんでもござれのごった煮感が楽しかったりするけれど、大文字の「文学」だけを扱っている批評の読者なんてのはほぼ絶滅寸前なのだよねたぶん。まあ「アニメも観るよマンガも読むよ文学も読むよ」という方が、なんというか自然だし健康的だという気がします。「文学」だけを特権的に評価するなんてひとはパラノイアな印象。
今後「文学」とかいうジャンルはますますマイナ化していくことは避けられないわけだろうから、マイナならマイナでも生き残っていける方策を考えなければね。しかしどうなることやら。なんてことが、とりあえず思ったことですが、しかしこんな本を読んでこんなことを考えている場合ではなく、喫緊の問題=就活に取り組まねば。実存!