平野啓一郎『小説の読み方』

小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書)

色々なタイプの小説を見ていきながら、こういうところに気をつけて読むと、小説はもっと深く理解できるようになる、楽しめるようになる、というのを紹介し、提案するのが今回の目的です。そして、せっかく感動したり、好きになったりした小説の話を、どうすれば、うまく人に伝えられるか、そのための整理の仕方についても、具体的に作品に即して書いてあります。ブログで書評を書いたり、人と感想を語り合ったりするのにお役に立てば幸いです。

http://d.hatena.ne.jp/keiichirohirano/20090314/1237015289

とのことで、小説をただ漫然と読むのではなく、より深く理解し楽しむためのコツについて書かれている。高度な批評や文学理論ではなく、あくまで「普通の小説読者」に向けて書かれているため、前半の技法編も後半の実践編も非常に簡潔でわかりやすい。こういう「本の読み方」をわかりやすく語るという仕事はとても重要だと思うのだが、いわゆる文壇のひとたちはもとより、学校でもどこでもあんまり誰もやってないような気がする。
同じく平野啓一郎が以前に出した『本の読み方 スロー・リーディングの実践』と合わせてオススメです。このふたつが「ちょっと簡単すぎる」と思ったひとは定番のアドラー『本を読む本』とか読むといいんじゃないでしょうか。