『本の雑誌 5月号』

特集「2009年 私の仕事」と題して、川上弘美三浦しをん穂村弘など総勢68人の作家による今年の仕事の予定の告知がされています。
村上春樹も68人の中に含まれているのですが、その告知によると夏以降にカーヴァーのオーラル・バイオグラフィーレイモンド・カーヴァーについて語るとき』とか編集者の手が入る前の短編を集めた『ビギナーズ』が出るとか。また、フィッツジェラルドの初期の作品(「メイデイ」や「リッツくらい大きなダイヤモンド」、「冬の夢」、「罪の赦し」など)を納めた短編集が出るとか。楽しみです。
そういえば今書店には『ロング・グッドバイ』に続く村上によるチャンドラーの翻訳、『さよなら、愛しい人』が並んでいます。僕は原書"Farewell,My Lovely"を持っているはずなので家の本棚をガサガサ探したのですが見つかりませんでした。絶対にあるはずのものがしかし忽然と消失してしまっている。この現象を家庭内バミューダと呼んでいます。
彼自身の長編小説『1Q84』は5月に新潮社から。かなり長いらしく2巻に分かれて出るらしいです。このタイトルはおそらくオーウェル『1984』のもじりなのでしょう。監視社会とか権力論とか絡むのでしょうか。これは読まなくてはなるまい。
今年に入ってからの急激な経営状況悪化が伝えられる本の雑誌社ですが、厳しい状況の中でも粘り強く頑張っておられるようで、気のせいかこの頃の号はいつもより面白めな気がします。これからもなんとか頑張って続けていってほしいものです。皆、「本の雑誌」を買おう!