アカデミズムは復活なんてしないよ

車は買わないが勉強はしている学生たち
重箱の隅をつつくようなことなのかもしれないけれど、ちょっと気になったので書いておきます。

そしてもう一つ、このランキングからは重要な変化が読み取れる。
「語学・資格試験」と言う項目が、三世代の中で
もっとも高いのは、現在の大学生なのだ。
(書籍についても、2、30代よりは上位につけている)

いつも言っているように、大学のレジャーランド化は年功序列の副産物だ。
かばん持ち雑巾がけからスタートするのが明らかな社会において、それでも熱心に
高等教育に取り組もうとするのはごく一部の人間だけだから。
当然、日本型雇用の崩壊が進めば、以前の(というか当たり前の)健全なアカデミズムが
復活してくると思われる。

ええっと、「アカデミズム」という語の使い方がそもそもズレているのか、それとも資格とか語学試験とかの勉強をする人間はもちろん「学問」にも取り組むはず、と本気で思っておられるのか。後者だとしたらその認識は間違っている。リオタール『ポストモダンの条件』とかから引いてきてもいいけれどまあ感覚的にわかるよね。資格試験とかのために熱心に勉強するひとと「学問」なんて役に立たないことに取り組むひととはぜんぜん違います。新自由主義経済の下で終わりなき厳しい競走に放り込まれる学生が、アカデミズムとかwwwそんなんやってられるかよwwwwというね。
教養主義は既に死んでいてこれからも死に続けるでしょうし、アカデミズムは衰弱し続けるでしょう。経済学部や商学部以外の人文系の学部の危機はずっと言われていることですが、これからもどんどんひどくなるはず。人文系の大学院なんかほとんどなくなるんじゃないでしょうか。それは別にいいこととも悪いこととも思いませんが、ちょっとつまんないな、という気はしています。