今週の「朝生」雑感

今週の朝まで生テレビは面白かったよ、と言う話

パネリスト:

赤木智弘フリーライター、34)
東浩紀(東京工大特任教授、批評家、38)
雨宮処凛(作家、反貧困ネットワーク副代表、34)
小黒一正(世界平和研究所研究員、経済産業研究所コンサルティングフェロー、35)
城繁幸(作家、Joes Labo代表取締役、36)
高橋亮平(市川市市議会議員、元全国若手市議会議員の会会長、33)
辻川泰史(はっぴーライフ代表取締役社長、31)
藤田志穂(元ギャル社長、24)

猪瀬直樹(作家・東京都副知事
小沢遼子(評論家)
堀紘一ドリームインキュベータ会長)
森永卓郎(経済アナリスト、獨協大学教授)

番組が始まっていきなり田原が「今80歳くらいの世代に比べて若者世代は社会保障やら年金やらで8000万くらい損してるぜー!」というデータをバーン!!と出して若者問題を世代間不公平問題として提示して世代間闘争を煽る
⇒東「こういう議論つまんねーww俺このごろルソーの本書いてるんだけど政府設計の話しようぜwwwネット使えば直接民主制できるんじゃねwww」とか言い出して話が政治制度設計の方向へ*1
⇒しばらく政治制度の話が続き、赤木が「今日は政治の話なんですか?(若者論はどうなったんだ)」と言い出しまた世代間格差の話に*2
⇒安全ネットの話からなんだかんだで社会設計の話になる。ベーシックインカムっていいよね、という流れ
⇒「ベーシックインカムで最低限の生活を一括に保障しつつ流動性を高めるのがいいんじゃね?」派vs森永が正社員を増やして安定させるべき派で孤軍奮闘*3
⇒堀や城から「若者はもっとリスクとろうぜ!」⇒赤木とか「リスクとれるような社会になってないじゃん」⇒「やっぱセーフティネットが必要なんですよ!」
東「社会が疑心暗鬼で不安になってるからシンプルで透明性のあるベーシックインカムでそれを取り除かないと」
⇒一同「ですよね」
大体こんな感じの流れ。途中地方分権の話やら民主党の話やら選挙制度の話も出ていた。
とにかく堀紘一の頭の良さが目立っていた。あとは小黒さんも地味ながら要所で鋭い意見を出していた。東はルソー的政治制度設計の話と社会の「気分」を問題にしていてまあいつも通り。赤木はもうちょっと頑張って欲しい。
辻川と藤田は要約すると「つらくても頑張ればなんとかなる」ってことしか言ってなくて、これでは本当にどうしようもない。人選を誤っている。特に辻川は、ほとんどが政治の話だったことに不満をあらわにしていたが、政治以外でどうやって若者の未来を良いものにしようというのか。
番組で概ね好意的に扱われていたっぽい意見をまとめると「ベーシックインカムを前提にして社会の流動性をバンバン高めていってしかも相続税を100%にするのがいいんじゃね?」と言う感じになるんじゃないでしょうか。
番組を見ていて問題だと思ったのは、「ベーシックインカムに反対する意見が出ないこと」*4と、「世代間不公平が自明の前提であるかのようになっていること」です。後者については上野千鶴子を呼べばよかったのになあと思います。

*1:東浩紀はここでルソーが『社会契約論』で展開した理想の政治制度=一般意思に基づいた政治に近いものがネットを使えばできる可能性がある、ということを言いたかったのだろう

*2:政治の話をして何が悪いのか?赤木こういうところが「思考が世代間闘争に硬直している」と批判されるのだ

*3:森永は社会が過剰流動的になることを恐れているのだと思う。ここらへんは社会心理的な問題なので難しい。

*4:唯一最後に客席から「BI導入されたら働かないでようつべ観てるようになる」という意見が出ていたが。